材料はたった2つ。こだわり抜かれた石鹸の魅力
四日市市に工場を構える暁石鹸は、大正11年から続く石鹸メーカー。
「お客様に安心してつかっていただけるもの」を合言葉に、天然由来の原料と手作りの製法で、赤ちゃんでもつかえる石鹸を製造しています。
看板商品のオリブ浴用石鹸の原料は、なんと牛脂と精製ヤシ油の2つのみ。
肌にやさしい牛脂と泡立ちに優れた精製ヤシ油をブレンドし、”わく練り製法”という伝統的な手作りの製法でつくられています。
職人の手作業で原料を練り、自然の力で乾燥させる、技術と根気が必要な作業です。
大量生産ができず製造に時間がかかるため、市販の石鹸は機械でつくる”機械練り製法”が主流。
丁寧に時間をかけてつくられたわく練り製法の石鹸は、ふんわりとした泡と、小さくなってもドロッとしないのが特徴です。
従業員の想いがつむぐ、昔ながらの伝統
暁石鹸の伝統は、従業員全員の想いからつむがれています。
社長の血縁者を中心に、それぞれが個性を生かして主体的に働いているそう。
代表的なエピソードとして、粉砕機の故障事件というのがあります。
ある時、50年以上つかっていた粉石鹸の粉砕機が故障。業者に見てもらうと、修理はできないと伝えられました。
しかし製造は止められないため、手作業で石鹸を割ることに。
ハンマーを使い、コンクリートの塊のような石鹸を粉砕していく地道な作業が続きました。
6人がかりで2日間をかけ1トン弱を粉砕したものの、機械だと半日で3トンが製造できるため全く追いつきません。
そこで従業員のひとりがリフトで機械を吊って故障部分を外し、自ら知り合いの業者に運んで修理して貰いました。
「今でこそ笑い話ですが、当時はもちろん笑えませんでした。
ただ、みんなで割った経験が彼のスイッチを入れたんだと思います。」(四代目社長 笹岡邦清さん)
安心を届けて信頼感をつくることが暁石鹸らしさ
代々伝わる製法を守り続ける石鹸は、大量生産はできません。
しかし、製造のスタイルを変えるつもりはないそうです。
暁石鹸の石鹸を心から愛するお客様が多く、個人で120個入りのケースを買うような熱烈なファンが何人もいらっしゃいます。
その方達に使い方を聞くと「家中、なにを洗うときも使っている」「好きでしょうがないので、たくさんの人にプレゼントしている」と愛に溢れたメッセージが届きました。
お客様に安心して使っていただけるものを提供して、それを使ったお客様が使ってよかったと思うこと。
その信頼感の積み重ねがいまの暁石鹸をつくっている。
その想いと伝統を踏襲しながら新しいやり方を考えていく、そんな会社になってほしい、と笹岡さん。
お客様の安心を何よりも大切にし、関わる人みんなで伝統を大切にすることが、多くの人に愛される秘訣なのかもしれません。
企業名 | 暁石鹸株式会社 |
代表者 | 笹岡邦清 |
所在地 | 三重県四日市市小古曽東2丁目1-321 |
電話番号 | 059-347-1647 |
設立 | 1951年12月17日0 |
公式HP | https://www.ak-sekken.co.jp |