エクスペリエンス三重県応援団

 

眼下に広がる壮大な棚田。小さな田が幾重にも重なる曲線美は、まさに日本の原風景とも言えるものです。
熊野市丸山地区が誇る「丸山千枚田」には約1340枚もの田があり、その美しさは日本一の棚田とも言われています。
その景観を支えるのは地元の人々。年間を通して稲作体験など数多くのイベントが開催され、保存会を中心に保全活動に取り組んでいます。

 

「日本の棚田百選」に選ばれ、日本ユネスコ協会連盟の「プロジェクト未来遺産」にも登録されている丸山千枚田。
最盛期は昭和30年代で、当時は現在の約2倍、2,400枚ほどの田んぼがありました。しかし、時代の流れと共に、田んぼの数は徐々に減少し、平成のはじめには530枚ほどとなってしまいました。そこで、地元住民が「伝統と文化を次世代に継承しよう」と立ち上がり、復元・保存に取り組むようになったのです。復元作業は苦労の連続でしたが、平成5年に丸山千枚田保存会を立ち上げ、1,340枚ほどまで復元しました。
丸山千枚田では、日本一とも言われる景観と、貴重な農耕文化を守っていく取り組みに協力していただけるオーナーを募集しています。

 

 

受け継がれる「農法」と「伝統」

 

丸山千枚田は、田んぼ1枚あたりの平均面積が約10坪と小さいため、機械は使用せず、田植えや収穫、保全は昔ながらの手作業で行われています。また、棚田を構成している石段は、主に自然石をそのまま積み上げる「野面積み(のづらづみ)」という工法が用いられています。こちらも、すべて人の手で積み上げられたものです。
夏には「虫おくり」という伝統行事が開催されます。農薬が無かった時代に、害虫駆除のため始まったと言われています。あぜ道には1,340個ものキャンドルが灯され、松明や太鼓・鐘などを持った人々が丸山千枚田の中を練り歩きます。
「ひと粒でも多くのお米を収穫したい」という素朴な祈りが込められた虫おくりでは、
闇夜にいくつもの灯し火が浮かぶ、幻想的な光景を見ることができます。

 

 

美しい風景を守る我々もまた、魅力的でありたい

 

「自分達の代でこの貴重な文化遺産をなくすわけにはいかない。素晴らしい景観と農耕文化を後世に残し伝えていかなければならない。」この思いをもとに、丸山地区の全住民による丸山千枚田保存会が結成されました。丸山千枚田が登録された「プロジェクト未来遺産」にも「100年後の子どもたちに原風景を継承する」という使命があります。
しかし、この地を守るためには、田んぼの保全だけでは不十分だと考えています。地元住民だからこそ知っている伝承話や逸話を、観光に訪れた人々にお話しすることで丸山千枚田の魅力をもっと感じて頂けるよう活動しています。観光先として選んでもらう際に「綺麗なところだから」という理由だけではなく、「綺麗な風景を守る住民たちも魅力的だから」と言って頂くために努力しています。

 


基本情報

所在地: 三重県熊野市紀和町丸山地区

アクセス: 熊野大泊ICから車で約40分(無料駐車場あり)

公式サイト: https://www.maruyamasenmaida.jp/

お問合せ先: 熊野市地域振興課(0597-97-1113)

 


取材後記

日本の美しい原風景ともいわれる棚田。

かつての高度成長期以降、生産性が低い棚田はその多くが放棄されてきたとも言われています。

丸山千枚田が今に至るまでこの地に残っているのは、地域にとってこの棚田が大変価値があるものと認識されていたこと、またこれを残さなければならないと地元の方々が立ち上がり、大変な努力を続けられてきたことに他ならないのでしょう。

この世界にも誇れる美しい棚田は現在、丸山千枚田保存会によって運営・管理されています。

一方で、棚田の保全活動は収益性を確保することが難しく、公的なところが支援している例が多いのも事実です。公的な支援が得られることは保全活動にとって望ましいことである反面、地域住民の意思とは別の論理や思惑が入ることで、そこに暮らしてきた人々の生活に影響を及ぼす可能性もあり、地域で自立して棚田を継承していくことの難しさも改めて感じられました。

取材を通して、願わくば今後も発展と収益性が担保され、保存会のメンバーもうまく継承されることで、この美しい棚田が永きに渡ってありつづけてほしいと思いました。

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