エクスペリエンス三重県応援団

 

受け継がれる本物志向と、酒造りにかける願い

 

「いつも傍にいるお酒でありたい。」「お家に連れて帰っていただけたら。」
そう願いながら酒造りをしているのが、伊賀に蔵を構える若戎酒造株式会社。

創業は1853年。酒米の最高峰と言われる山田錦(三重山田錦)、軟水の伏流水、そして多種多様な自社保存酵母を用いてお酒を造っています。

数多の蔵人が繋いできた長い歴史の中、若戎酒造を語る上で欠かせない人がいます。
それは厚生労働省「卓越した技能者」(現代の名工)に選ばれ、「若戎酒造=自社酵母」という礎を築いた先々代杜氏 中村貢氏(担馬杜氏)。中村氏は仲間内から“この酵母を使ってくれないか”という依頼があったものを培養し、その酵母にあったお酒造りをしていました。

「良いお酒は長い時間じわじわ努力して造れば必ず認められる。本物志向を忘れないこと。」

後継者の育成にも情熱を注いでいた中村氏は、この想いを次世代に伝え、現在の酒造り「さまざまな酵母を使って1つの義左衛門を造る」というスタイルになっています。

現杜氏である高松誠吾氏も、「若戎酒造のかけがえのない大切な財産」として、これらの酵母を今も大切に保管し続けています。

「お酒造りにあたる酵母のファクターは大きい。だからこそ、酵母にあった造り方、つまり原料米の吸水・もろみ管理・酵母にあった麹菌。これらが揃って酵母の特徴の良さを引き出すことができる」そう高松氏は語ります。

先代から受け継がれたノウハウを大切に、新しい次の世代へ本物志向が受け継がれていきます。

 

酒米磨き、酵母のセレクト、全てがこだわり抜かれたブランドの数々

國酒である日本酒。気候風土はもちろんのこと、蔵人の忍耐・丁寧・繊細さをもって造られています。
若戎酒造の精米・浸水・もろみ管理は、まさしくその象徴といえるものです。

日本酒は原料や精米歩合により、本醸造酒・純米酒・吟醸酒に分類されますが、大吟醸や純米吟醸の精米歩合は50%以下と規定されています。若戎酒造の精米歩合の平均は58%で、一番白精米歩合の高い大吟醸用は35%です。

なぜここまでお米を磨くことが可能なのかと言うと、玄米で仕入れることにより、お米の状態を見て丁寧に自社で全量を精米しているからです。その後の行程である浸水もタイムウォッチを片手に秒単位で確認し、丁寧に作業を行っています。

そして若戎酒造と言えば酵母ですが、さまざまな酵母を使ってお酒を醸しています。中でも創業者の名前を用いたブランド「義左衛門」シリーズの「純米大吟醸 義左衛門」は精米歩合が高く、蔵人の繊細さが表れているお酒になっており、一度は手にとっていただきたいお酒です。

また、花束を贈るようにお酒を贈る場面が増えたら良いなという蔵人の想いで、パッケージデザインから入ったお酒が「純米大吟醸 若戎 SOUBI」です。杜氏 高松氏は、パッケージデザインを見てからお酒のイメージを膨らませたと言い、「香りがありつつ、キリっとした味にしたい」と考え、そのイメージに合う酵母を選択しました。

酵母には、例えば発酵したときに泡が出るもの・出ないものなど、様々な性質があります。そして、異なる泡の状態、どんどん変化する温度を温めたり氷で冷やしながら行う温度管理など、酵母の状態を見定めて酒造りをしていきます。

このような過程を経て創り上げられた「純米大吟醸 若戎 SOUBI」は、臨場感が高くドライで辛口の味。特に女性へのプレゼントにオススメのひとつです。

 

 

〇代表 重藤邦子さん

「いつも傍にいるお酒でありたい。そのためには数多あるお酒の中から、まずは手にとっていただき、お家に連れて帰っていただけたらと思います。」

代表である重藤氏の想いが蔵人に届くからこそ、杜氏である高松氏のインスピレーションにつながる、その阿吽の呼吸とこだわり抜かれた確かな精米技術で、個性あるお酒がつくられていく。

長い歴史ある蔵を守りつつ、他にはない魅力を蔵人とお酒で表現する姿に、若戎酒造の本質を垣間見た気がしました。

 


 

[企業情報]

企業名 :若戎酒造株式会社

代表者 :重藤 邦子

住 所 :〒518-0226 三重県伊賀市阿保1317

TEL  :0595-52-1153

創 業 :1853年

公式ホームページ(オンラインショップ):
https://www.wakaebis.co.jp/

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