シリーズ:受け継がれてきた想い

唯一の御絲織工場として – 御絲織物株式会社(明和町)

松阪木綿は、松阪市に江戸時代から伝わる伝統的織物。明和町にある御絲織物株式会社は、明治7年の創業時、紺屋から始まり、手織り、機械織と発展してきた140年以上続く、松阪木綿を生産する会社です。天然藍を使用し、ジャパンブルーと呼ばれる藍色を染め上げ、黒に見えるほどの深い色から明るい色まで、多様ないろどりの糸を組み合わせて織り上げていきます。...

伊勢志摩国立公園の玄関口 -鳥羽ビジターセンター(鳥羽市)

鳥羽ビジターセンターは、地元の方々をはじめ、県内外から訪れる多くの方にむけて、伊勢志摩の案内や情報発信を行っています。「伊勢志摩国立公園」の玄関口として開設され、国立公園を活用したイベントを開催するなど、魅力ある伊勢志摩を知ることができる拠点の一つです。伊勢志摩国立公園は、鳥羽市と志摩市の全域、伊勢市と南伊勢町の一部を含む6万ヘクタール...

麻を生産する厳しさ – 伊勢麻(南伊勢町)

古来より、穢れを祓うものとして神事に使用され、伝統文化・芸能の場でも広く扱われてきた麻。伊勢麻は精麻の生産を通じ、麻の伝統的価値を訴求し、国内で安定的に供給することを目指しています。日本で縄文時代より生活を支える産業として、全国で栽培されてきた麻は、薬物として使用できない種ですが、厳しい規制を受け国内生産は縮小。現在、国内の生産は栃木県...

地域で一番信頼されているお店に – エリートクリーニング(桑名市)

三重県桑名市を中心に、東海地方で計48店舗を展開するエリートクリーニング。1958年の創業からおおよそ60年以上、地域のクリーニングを支えていました。高品質・即日仕上げを実現するために、「パッケージプラント方式」を採用し、工場と店舗の距離を片道30分以内で、配送を行うことを可能にしました。お客様のニーズである「高品質」「即日」を、最優先...

時代の転換期を見極める – 株式会社タナカ(四日市市)

四日市市で、テント倉庫やテント設備の設計施工メンテナンスを行う株式会社タナカ。明治45年創業当時、雨合羽の販売から始まった事業は、雨合羽の防滴技術を切り口に、時代や地域のニーズにあわせテント関連業務に発展。現在は、産業資材や工業用品など業務用品の卸も行うなど拡大しています。縫製業務は分社した株式会社タナックスが行っており、生産から設置ま...

一度途絶えた技術の再興 – 伊勢擬革紙(玉城町)

和紙に型紙を巻き付け、圧力をかけて絞ることで、革のような風合いを作り出す擬革紙(ぎかくし)。「参宮ブランド『擬革紙』の会」は、一度途絶えた擬革紙の技術を再興・発展させようと、活動しています。擬革紙の歴史は江戸時代にさかのぼり、和紙に油を塗った雨合羽が、使用や時間の経過によって、革のような風合いになることに着目し、開発されたと伝えられてい...

創業125年の不易流行 – 福和蔵と菓子舗井村屋(多気町)

あずきバー、肉まん、あんまんなど、多くのヒット商品を世に送り出してきた、創業125年となる井村屋は、新たに多気町にある商業施設「VISON」にて、日本酒事業「福和蔵」、「菓子舗 井村屋」を出店しました。日本酒事業への参入は、継ぎ手がいなくなった伊賀市の酒蔵・福井酒造場の事業を継承したことがきっかけ。福井酒造場の「福」と、井村屋創業者...

蛇腹の持続可能性 – 株式会社ナベル(伊賀市)

伊賀市に本社を置く株式会社ナベルは、創業1972年の蛇腹専門メーカー。カメラ用の蛇腹製造から始まった事業は、現在、CTやMRIで使用するカバーの製造、工作機械やロボットアームを守るカバーなど、幅広く展開するに至りました。カメラ用の蛇腹は、アコーディオンのような伸縮性をもち、カメラのピントを合わせるために、レンズと後部焦点面の中間に備え付...

みかんは家族 – アサヒ農園(南伊勢町)

リアス海岸をのぞむ温暖な気候であり、平らな土地が少なく日のあたりがよい南伊勢町内瀬(ないぜ)地区。柑橘類の栽培にバランスが良いこの土地で、「せとか」を作り続けているのがアサヒ農園の園主、田所一成さんです。アサヒ農園の「せとか」をはじめとする柑橘類は、上質な果物を取り扱うことで名高い銀座千疋屋とも取引があり、県内では志摩観光ホテルをはじめ...